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[7094]   管理人      2023/08/13(日) 12:33
 20230811ラブリー初日2部その1
 


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森「一曲目は闘牛士の曲ですね」ファイアー「Picadorです」森「2曲目はなんですか?」ファ「Wonder in the dream、夢でさまようって曲です」森「こないだ見た夢だね、家に帰れなくなっちゃう夢でしょ?」すかさずファイアーさん「そうです!」森「わかりました、そのように演奏します。よろしくお願いしますね、私は目も見えないし譜面も読めないのでなにももっていないんです。よし!」とアフロリズムが始まる。明未くんのイントロ。ファイアーさんのソロが良いわぁ。やっぱり秋のウチのビッグバンドのライブでまたやって、ファイアーさんにソロを吹いてもらおうかな。森山さんの大きく挙げる腕がしなってかっこいい。川嶋さんの繰り出すソロフレーズに明未くんがつける。このクインテット、すごく良くまとまってるなぁ。この組み合わせは初のはず。川嶋ソロのバックの森山さんの腕の柔らかさ、広げ具合がもうすばらしいと思ったらおちゃらけドラムを。明未くんソロへ。明未くんがかかってくるのを迎え撃つ森山さん、ちょっと引いてバッキングしているが、でも追い立てる。ファイアーさんと川嶋さんは座って楽しそうに聴いている。あ、フリーっぽくなった。やるなぁ、この自在さ、これピカドールだよね?どこまで崩していくんだろう。明未くん鍵盤を叩きまくる、肘打ち!サンライズかと思うくらい完全にフリー!でもきちんとドラムソロでまとめていく。これでアフロに戻れればテーマに入れるね。あ、ちゃんとアフロに入った。マコトくんの弦のはじき具合がとてもいいわ。ドカタドカタドカタ、バシーン!客席から「お疲れさま〜!」の声がかかる。

森「渡辺ファイアーってね、話が得意なんですよね。皆さんの前ではあまりお話しにならないんだけど、私には楽しい話を一杯聞かせてくれるんですよ」アハハと笑ってファ「楽屋ですからね」森「楽屋話をひとつお願いします」ファ「ダメですよそんなねぇ。え〜、僕に振るんですか」森「いいじゃないたまには」ファ「ええ〜、そんな困るなぁ」と言いつつまんざらでもない様子。客席から「待ってました」の声がかかる。ファ「困ります」と言いつつマイクを持つ、森「やる気じゃん」客席から拍手が起きる。ファ「いきなり?困ったなぁ。あ、俺ね、先週8月6日で還暦になったんですよ」拍手、「おめでとうございます」川「僕8月9日」ファ「ホントに?原爆兄弟!え、お前獅子座だったの?知らなかった、道理で気が合うと思った!」笑い。ファ「いやホント、獅子座って気が合うんです。僕誕生日が『原爆記念日なんですよ〜』って言ったらある方が『それは大変でしたねぇ』って言うんですよ、僕まだ生まれてないから!あ、それでね、明後日『還暦ダイナマイト』渡辺ファイアーひとり会、吹き語りっていうのをやるんですよ」森「東京で?」ファ「高田馬場、見たか聞いたか高田馬場ってね、東京なんですけど。チラシがまだあそこに余ってますから。裏は(白いので)メモ用紙にもなりますし。よかったらお持ち帰りください。それで全部一人でやるんですよ、サックス吹いて、喋って、サックス吹いて喋って、喋って喋って」喋ってる方が多い・・・ファ「還暦の節目に一人でなんかできないかっていうのを挑戦してみようと思って」ここで「本当は明日だったんだよね?」と茶々を入れてしまう。ファ「そうなんですよ、本当は今日だったんですけど森山さんからオファーをいただいて、森山さんとできるっていうんでずらしたんです」おお〜と場内が沸く。ファ「森山さんとできるなんて!自分のことより森山さんを取るしかない!って、明後日にしたんです」森「それはありがとうございます」ファ「いえいえいえ、本当に光栄です!いつも始まる前は緊張してプルプルしてるんです。ああ、できるんだろうか、どうしよう、プルプルプルプルって」場内大ウケ。「ホントなんですよ!だから話しかけるんですよ、お話ししようかなって、自分の気持ちを和らげるためにね。眠いっておっしゃってたじゃないですか、これは目を覚まさないと!だって楽屋でこんなになって(半分身体を斜めにする)たじゃないですか、『ああ寝ちゃったよ〜』って。『それは寝たんじゃなくて気絶っていうんですよ〜!』」場内大ウケ、「いやぁ良いお客さんですねぇありがとうございます!本当はこういうところだとリーダーじゃないのにマイクを持つと大抵嫌われるんですよ」客席から「名古屋のお客さんは良いよぉ」ファ「ありがとうございます〜!良かったなぁ森山さんのお客さん良いお客さんばっかりで。もうずいぶん長いことお付き合いさせていただいて、僕2006年から始めて。そうなんですよ、新宿のスタジオで初めてお目にかかったときすごく緊張して」ああ、新宿御苑スタジオでしたね、懐かしい。ファ「もう、もちろん(森山さんのことを)知ってますから。で、森山さんが挨拶に来て下さったんですよ!本当なら僕から挨拶に行かなきゃいけないのに。さすが大御所ですよね。(声色を使って)『森山威男でございます。渡辺ファイアーって本名なの?親の顔が見てみたい〜』って、もう最高でしたよ、うれしくて!『わぁ、この人良い人だ!』って」拍手!森「やっぱりマイク持たせるんじゃなかった」爆笑。森「あなたいくつから楽器やってるの?」ファ「17の時に、高校1年生くらいですね」森「それですぐプロになったの?」ファ「いや、僕そのころバンドに入ってたんですよホーンセクションで。そしたら六本木のお店でね、そうしたら5000円もらえたんですよ。高校生で5000円って大金ですよね、バイトしたら1日かかるのに数時間で楽しいことやってお金もらってって。それがいけなかったんですね、ええ。オヤジに言われました、『お前はたちが悪いよ、趣味を仕事にしてねぇ』」森「アンタはおもしろい!」ファ「もうこの辺で勘弁してくださいよ」森「次の曲のアイディアが浮かびましたよ」ファ「ホントですか!」森「さまようんでしょ?わかりました。オッケー!」

 
[7095]   管理人      2023/08/13(日) 12:34
 Re:20230811ラブリー初日2部その2
 


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吹き始めようとする川嶋さんに明未くんからのスタートと制するファイアーさん。ファイアーさんの曲にしてはおとなしめな感じ?あらサビの展開が意外。ファイアーさんらしからぬ、というよりもろスタンダードっぽい。川嶋ソロのバックでにこにこと弦を弾くマコトくん。川嶋さんがサックスを振ってファイアーさんにソロを渡す。ああソロはもちろんファイアー節で。明未くんへ。おお不思議なアプローチ、右手だけでここまでフレージングして、左手はあまり使わずに進んでいく。明未くんのあとはマコトくんにね、とフロント二人はしゃがんだまま顔を見合わせて打ち合わせ、ピアノソロが終わると合図もしないのにマコトくんはすっとソロに入る。力強い、大したもんだ。ぱっとバッキングに入る明未くん。森山さんのブラシワークが見事、テーマに戻るとすっとスティックに持ち替える。いやぁ、なかなか雰囲気のある曲だ。エンディング、タカタドン!で決まる。

森「しっかりさまよわせていただきました。ええ、この頃昼か夜か分からない生活をしてました。ぱっと起きて時計を見ると2時、っていうと昼の2時か夜の2時か分かんないんです。うちの奥さんは2階で寝てますから。夫婦でおしっこに起きる時間が違うんで、同じ部屋じゃない方が良いだろうっていうんで、1階と2階に住んでるんですけど。ええ、なんかその時を計るものもなにもないし、計る必要もないし。さまよってます。夢なのか本当なのか分からないことが時々起きますし。今日は鞄を持ってきたんですけど、鞄をこっちに持ったのにいつの間にか反対側に来ちゃうんです、そんなことあります?また新たな発見をしたなぁって、年を取っていくのにまた新たな発見を日々していまして。楽しいわけじゃないですけどね。子どもはハイハイをすれば立ちあがるのを楽しみに、一言喋れば文章になるのも楽しみだし。老いていく楽しみっていうのはあまりないですね。こんなままで良いのかなぁって思いますけどね。今日ここへ来てもドラムってどうやって叩くんだったっけなぁ、って、本当にそういう時があるんですよ、皆さんはそういうことはないですか、自転車だって1ヶ月2ヶ月乗ってなかったら『乗れるかな』って。ああいう瞬間っていうのがあるんですよ。こう座って、『叩くのはどうやるんだったっけな』って。まぁ始めりゃ同じなんですけどね。ええ、そんなわけで!私も若い頃はジャズじゃなくてさすがに浪曲は聴かなかったですけど、演歌ばかり聴いていました。で、高校生くらいになってポールアンカとかニールセダカというか、アメリカンポップスっていうんでしょうかね、ああいうのを聞くようになって。ジャズはずっと後でした。山下洋輔とやるようになって、あれがジャズだっていうんですけど、ジャズじゃないんじゃないでしょうかね?ジャズはその後、板橋とやるようになってからがジャズのような気がして。自分が本当にやりたいのがなんだか分からなくなっちゃいましてね。本当は演歌の歌手になりたかったんですよ、子どもの頃は日がな一日演歌を歌ってましたから。だからませた子どもでしたよ。演歌の歌詞なんてすいたはれたそんなようなことばっかりでしょ?いろんなことを良く分かりもしないのに空想してたもんです。そん中に毛色が少し変わったのがあって、それがDanny Boyです。あのころはアンディウィリアムスが唄っててね、メロディーがきれいで好きだったんです。Danny BoyかHush-a-byeか。山下トリオを辞めることがあったらこの曲をやりたいと楽しみにしてたんです。今日はピアノの魚返さんと二人デュエットでさせていただきます、お願いします」

3人が舞台から降りる。この感じだとこの曲はAlaで採用かなぁ。しかし森山さんの周りにはすごいピアニストが一杯集まってくるなぁ、いやピアニストだけじゃないか。マレットでシンバルを鳴らす森山さん、明未くんのうなり声が聞こえてくる。このフリーっぽさというか、自分を最大限出しているって感じが良いね。物怖じもしないし。キラキラ感というより骨っぽく力強いソロからすっと引いて森山さんのブラシワークを際立たせる。後半のテーマにもどり、だっと盛り上げて最後はしんみりと終わる。お見事!

森「魚返明未です。魚返さんは藝大は作曲科だったんですか?」魚返「はいそうです、作曲科で」森「小さい頃からジャズをやってたんですか」魚「そうですね、あの、受験の時からジャズをやって。3浪しちゃいましたけど」森「で、藝大にはジャズをやる仲間とかいるんですか」魚「いや、あまりいなかったですねぇ」森「そうでしょうねえ。よそに出かけていってやるって感じですよね」魚「そうですね」森「で、作曲の方はいまもお仕事をされるんですか」魚「作曲の方も仕事してます」森「交響曲を書くわけじゃないでしょ」魚「交響曲は・・・一年休んで良いっていわれたら書けないわけじゃないけど、とてもじゃないです」森「あれは大変だよね、長編小説を書くようなもんでね。ということは割と短編?小説を書くようなもので」魚「そうですね、割と小編成で10分くらいのものとか」森「ほう、そりゃ長いじゃないですか10分って」魚「それでもけっこう大変なんですけど、1ヶ月くらいかかる」森「コマーシャルとかないんですか、♪かっぱえびせん♪とか」魚「そういう仕事あったらほしいですけど、なかなか来ないですね」森「私の知り合いがWatchで録音できるので、いつでも思いついたときに曲が浮かぶとすぐ録音して、コマーシャルをたくさん作っているんですけど、短い印象的なね。あれも難しい仕事なんでしょうね」魚「たぶん交響曲作るよりも難しいっていうタイプの人もいます。学校ではなんの魅力もないって言ったら失礼ですけど、ただの素材をいかにおもしろくするかっというのを勉強するんで、素材がおもしろいっていうのを作るっていうのは習ったことがないです」森「♪やめられないとまらない♪っていうような誰でも知っているようなのをね、短いフレーズでつくるっていうのは難しいんでしょうね。うん。そうか。ご苦労様です」拍手。「でもこれからいろんなところでご活躍されると思いますよ。この間東京へ行ったときに、むこうのクラブのオーナーに聞いたんですよ、最近若い人で誰かいい人いませんかね?って聞いたら真っ先に魚返明未って出てきましたよ、特に楽器とかいわなかったのに。すごいなあと思って今日を楽しみにしてたんですよ」魚「ありがとうございます」拍手。


 
[7096]   管理人      2023/08/13(日) 12:35
 20230811ラブリー初日2部その3
 


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「この間東京に行ったとき、超体力勝負のステージをやったんですよ、ピットインで。坂田明、スガダイロー、ベースが荒巻なんとかってので。ここがあろうことか2ドラムで、中村達也っていう」ド平日の水曜日で行けなかったんですよね、これ、残念。森「私は最初から2ドラムはイヤだって言ったんですよ。うるさいし、やってる人もどっちを聞いていいかわからないでしょ?だから交代でやるとかなんか仕掛けを考えようかって言ったらなにも答えないんですよ、ああイヤなんだなと思って『じゃあどうやろうか』って言ったらみんな異口同音に『勝手にやったら良いんじゃないですか』って。ああ、そういう集まりなんだと思って、勝手にやったらすごかったですよ。45分間いきなり始めて誰か終わるまでやり続けるっていう。もう、誰もやめない。休憩20分くらい挟んで、今度こそなんか仕掛けをやろうかなと思って『どうやる?』って言ったら、『なにも決めないでやる』また同じ。あんなもの聴いてておもしろいのかしらと思ったら、それぞれそういうことをやると特徴が出るんですね。なにも決めないで好き勝手にどうぞやってくれって。で、スガダイローもね、一番ステージで遠かったんですけどドラムが見えないとイヤだっていうんで、見える位置でやったんですよ。ドラム見えたって見えなくたって同じじゃないかって。ずうっとやってるんですよ、しかもドラムなんか見ずに。だから時々まぁ休めば良かったかなと思って休憩中に言ったら『いや、一回休むと入れませんから』縄跳びみたいなもんで。見事にベーシストも中村達也もそうだけど、まぁ坂田明はね、時々休んだり吹いたりしてましたけど、誰一人として見事に休まず最後までやりました。まぁあれでもう少し叩けるかなって気になりました、ええ」拍手。森「まぁあれに比べればね、今日のこれくらいのものはね、鼻をほじるくらいのものでね、いつまでもできますよ」拍手!森「次何やるんでしょうか、リクエストをどうぞ」すかさずファイアーさん「サンライズ!」森「ホントに?いいの?やっちゃう」

タカタン!サンライズが始まる。ファイアーさん初っ端から飛ばす飛ばす、フラジオ吹きまくり、場内から拍手が沸き起こる。キュウウウウウウイイイイ〜〜〜〜!もうなにも言うことないです、うぉおぉぉ!曲のアタマから1/2テンポのモチーフが入る。あれ、テーマ入ったけど進行合ってたか?まぁまとまったからいいか(笑)川嶋さんへ。サビでわざとスティックを投げる森山さん、後ろで吠えてるファイアーさん。AABCの進行、聴いてれば分かるんだけどもうどうでもよくなってきちゃった。思わず聴き入ってしまってペンを持つ手が止まる。3拍フレーズに森山さんが合わせる。うひょひょ、大バトル、場内大ウケ、マコトくん余裕で弦を弾く。川嶋さん吹ききって止まる、テーマフレーズは入らず。明未くんのソロもパワフル〜!ん?モチーフ入ったところ、拍合ってたかな、なんか私の聞きまちがいかバタバタなのか?BCのところを明未くんが弾いてドラムソロへ、短めのソロだったけど、でもちゃんとパン!からテーマに戻ってきただけマシか、このところ「えっ?」ってビックリするような尻切れトンボで終わることが続いたからなあ・・・。最後のエンディング、ホーンが渾身のロングブレス、森山さんもガンガンガンダンダンダン、バシーン!タカタドン!で締める。

森「ありがとうございました。魚返明未です、川嶋哲郎。渡辺ファイアー。冨樫マコト。ありがとうございました」アンコールの拍手が始まる。森「Goodbyeやろう」明未くんが書いた譜面が、今まで見た譜面の中で一番原曲に近い、というより板さんの譜面(「妖怪が憑いている」とガゾーンが表現した)より100倍きれいで譜面らしいのよね。明未くんソロ美しい・・・もっと聴いていたいのにもう終わっちゃうのか。テーマのサビはファイアーさん、終わりは川嶋さん。最後に森山さんがバックで暴れまくる。森山さんを見つめるファイアーさんの表情がうれしそうでかわいい。渾身のエンディング、「渡辺ファイアー!川嶋哲郎!魚返明未!冨樫マコト!ありがとうございました!」と舞台を去って行く。ああ、堪能した。明日はどんな展開になるかな?




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