あああ ..2004/03/16(火) 08:55 No.1376 |
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もう少し催眠の基本的な部分に触れておきます。 一般的に「催眠」と表現される現象について、そのかかりやすさは大きく二つに分けられます。 一つは催眠誘導性、誘導のしやすさです。もう一つは被暗示性です。 この二つは別々の精神機能に由来するものと考えられており、一方が強く、一方が弱かったりすることもあります。 二つを合わせて被催眠性と表現する場合もありますが、これはあくまで便宜的な表現です。
催眠誘導法はスナイパーチップ氏が書かれている振り子法や、一点を見つめ続ける凝視法などの比較的時間のかかるものと、瞬間誘導の二つに分けられます。 マジシャンが小道具の動物を動かなくさせるために用いる催眠誘導法は後者の瞬間催眠で、催眠療法などの際には人には用いません。 実のところわっしはこの方法を臨床で使えるようにするための研究をここ十年ほどやっているわけですが、まあそんなことはどうでもいいでしょう。 催眠誘導は上に書いたように物理的には大した技術はいらないので、被術者一人でもできます。
そうして催眠状態に入っていくわけですが、この「催眠」は薬学などで用いる表現と違い、眠っているわけではありません。 意識としては覚醒状態にあるので、何を言われているとか、何をされているとかちゃんとわかります。 ただ、非常に暗示にかかりやすい状態にはなります。 この暗示も、施術者が思いのまま被術者を操れる類のものではありません。 被術者の心をうまく誘導して、自らがバイアスを調整するように仕向ける行為です。 これは被暗示性が催眠に限った機能ではないことを考えるとわかり易いと思います。
長くなりましたが最後に。 催眠はマジックでも魔術でもなく基本的な精神機能の一つです。 それ故に「何がどこまでできるか」は、要は覚醒状態の被術者のそれと「おおむね」一致します。その人が元々スーパーマンで無い限り催眠でスーパーマンにはなれないということですね。
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